口角ボトックスで不自然にならないために|効果の仕組みと失敗を避けるコツ

口角ボトックスで不自然にならないために|効果の仕組みと失敗を避けるコツ

口角ボトックスは、注射だけで手軽に明るく、若々しい印象を目指せる人気の施術です。

しかし、手軽さの反面、「左右差が出る」「表情が不自然になる」といった仕上がりの失敗や、副作用といったリスクを心配される方も少なくありません。

そこで本コラムでは、口角ボトックスで後悔しないために、効果の仕組みと失敗を避けるための具体的なコツについて解説します。

失敗のリスクを正しく理解し、信頼できるクリニックのもとで満足のいく結果を得るための参考にしてください。

 

口角ボトックスで口角が上がる仕組み

まずは、失敗を避けるために、口角ボトックスの仕組みについて理解しましょう。

口角を下げる筋肉の力を緩めるメカニズム

口角ボトックスとは、口角を下げる筋肉に薬剤を注射し、筋肉の過剰な緊張を和らげる施術です。

この薬剤は、ボツリヌス菌から抽出した「A型ボツリヌス毒素」という成分を含んでおり、筋肉の活動を一時的にリラックスさせる作用があります。

この作用により、偏って発達した筋肉の力を緩め、表情筋のバランスを整えることができるのです。

ボトックスは「引き上げ」ではなく「下げない」施術

ボトックスは筋肉の活動を抑える効果があるため、口角を下げる筋肉に薬剤を注射します。

その結果、口角を上げる筋肉が優位に働くようになります。

無理に「引き上げる」のではなく、「下げる力を抑制する」施術のため、自然で優しい印象の仕上がりが期待できます。

無表情でも「不機嫌そう」に見られる人へ

怒っているわけでもないのに、「不機嫌そう」「疲れている」と見られることはありませんか?

これは、無意識のうちに口角まわりの下げる筋肉が優位に働き、口角が下がってしまっている可能性があります。

そんな方にこそ、口角ボトックスは特におすすめです。

下向きの口角を改善することで、優しく明るい印象が期待できます。

 

口角ボトックスが向いている人の特徴

口角ボトックスが向いている人の特徴

口角が下がるのを抑える口角ボトックスが向いているのは、主に以下の特徴を持つ方々です。

 

  • ・無意識に口角に力が入っている・食いしばり癖がある人
  • ・加齢とともに口元が下がってきたと感じる人
  • ・「ヒアルロン酸」との併用が推奨されるケース

 

それぞれ詳しく理由を解説します。

無意識に口角に力が入っている・食いしばり癖がある人

無意識に口角に力が入っている方や食いしばり癖がある方は、ボトックスによるバランス改善効果が期待できます。

無意識に口角に力が入っている方は、口角周りの筋肉が常に緊張し、バランスが崩れている可能性が高いからです。

また、食いしばり癖がある方は、顎の筋肉と連動して口角下制筋(口角を下げる筋肉)も緊張しているケースが多く見られます。

どちらのケースも、ボトックスで筋肉の緊張を緩めることで、口角周りのバランス改善が期待できます。

加齢とともに口元が下がってきたと感じる人

加齢による口元のたるみや下がりを感じる方には、ボトックスが若々しい印象を取り戻してくれるでしょう。

加齢に伴い、皮膚のたるみだけでなく、表情筋全体のバランスも変化します。

口角を引き上げる口角挙筋などが衰え、逆に口角下制筋が緊張しやすくなるため、口角が下がって見えるためです。

ボトックスによって下げる筋肉の力を抑え、持ち上げる筋肉を優位にすることで、口元に活力を与え、若々しい印象を取り戻せます。

「ヒアルロン酸」との併用が推奨されるケース

口角の下がりが皮膚のたるみに大きく起因する場合は、ボトックス単独ではなくヒアルロン酸との併用が推奨されます。

ボトックスはあくまで筋肉のバランスを整える施術であり、皮膚のたるみを物理的に持ち上げる目的ではありません。

そのため、たるみが強いケースでは十分な効果を得にくい可能性があります。

このような場合、ヒアルロン酸を併用してたるみを物理的に支えるアプローチが有効です。

原因に応じて適切に組み合わせることで、それぞれを単独で注入するよりも高い相乗効果が期待できます。

 

いつから効く?経過と持続期間

時計とカレンダー

では、ボトックス治療はいつから効果を実感できるのでしょうか。

経過の様子と持続期間についても解説します。

施術後3日〜1週間:筋肉の緊張が解け始める感覚

ボトックスの施術後、早い方で約3日後、多くの方が1週間以内に「口角下制筋」の緊張が和らぎ始める感覚を覚えます。

無意識に口元に力が入る癖が軽減され、「への字口」になりにくくなったと感じ始める時期です。

まだ効果は完全ではありませんが、口元が軽くなったような変化を感じられます。

ピーク時の変化:自然に微笑みやすくなる状態とは

効果が最も安定し、はっきりと実感できるのは、施術後約2週間〜1ヶ月の時期です。

筋肉の動きが適切に抑制され、口角を下に引っ張る力が大幅に弱まります。

意識的に力を入れなくても、口角が自然にキュッと上がった状態を保ちやすくなります。

表情が明るく、優しく見えるようになり、笑いやすくなったと感じる方が多いです。

この状態が持続期間中の「ピーク時」となります。

持続期間と効果が切れた時のサイン

口角ボトックスの効果は永続的なものではなく、時間とともに徐々に薄れていきます。

個人差はありますが、効果は約3ヶ月〜6ヶ月間持続することが多いです。

以前のように、無意識に口角が下がり、への字口になる頻度が増えたと感じたら、効果が切れてきたサインです。

効果を持続させたい場合は、完全に効果が切れる前に、医師と相談して次回の注入スケジュール(一般的には3〜4ヶ月ごと)を計画的に立てることをお勧めします。

 

副作用・ダウンタイムと施術の痛みについて

口角ボトックスは、施術時間が短く、比較的ダウンタイムも短い施術です。

しかし、安全に受けていただくために、起こりうる副作用やダウンタイム、痛みについても事前に把握しておきましょう。

内出血や腫れは出る?

針を刺した部位に、内出血や赤み、腫れが出る場合がありますが、一時的なものです。

個人差はありますが、メイクで隠せる程度であり、2~5日程度で治まることがほとんどです。

治療後の飲酒や激しい運動、サウナなど、血流が良くなる行為は腫れを悪化させる原因となるため、治療当日は控えるようにしてください。気になる症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。

施術時のチクッとした「痛み」と麻酔の利用

施術には注射を使用するため、チクッとした痛みを感じることがあります。

しかし、施術に使用する治療針は、痛みを感じにくい極細のものを使用するため、通常は麻酔なしで行われます。

クリームタイプの麻酔をオプションで用意しているクリニックも多いので、痛みが不安な場合は、カウンセリング時に医師に相談すると良いでしょう。

一時的な口元の「重さ」や違和感

治療後2~3週間は、一時的に口元の重さや若干の違和感が出ることがあります。

これは薬剤が作用し、口角下制筋の力が緩み始めている効果の表れであり、一時的なものですので、問題はありません。

徐々に慣れて気にならなくなることがほとんどです。

施術を受けられない方

安全のため、以下に該当する方はボトックス治療を行うことができません。

 

  • ・妊娠中の方、妊娠を希望される方
  • ・授乳中の方
  • ・全身の筋肉の病気がある方(筋委縮性側索硬化症、重症筋無力症など)
  • ・ボツリヌス製剤のアレルギーのある方

 

その他にも、皮膚の状態やお体の具合(持病、既往歴、アレルギーなど)によっては、医師の判断によって治療が行えない場合があります。

喘息などの慢性疾患をお持ちの方や緑内障の方、内服しているお薬がある方などは、必ずカウンセリング時に医師にご申告ください。

 

自然で可愛い口元を作るための「注入デザイン」の重要性

自然で可愛い口元を作るための「注入デザイン」の重要性

ボトックスは、単に決まった場所に注入すれば良いという施術ではありません。

繊細なデザインと高い技術が、仕上がりを左右します。

人によって筋肉の走行は異なる

成功の鍵は、一人ひとりの筋肉の走行(向きや強さ)の違いをいかに精密に見極められるか、にかかっています。

全く同じ顔の人がいないように、骨格や筋肉の動き方、左右のバランス、表情の癖も異なります。

理想の仕上がりを実現するためには、これらすべてを考慮しながら、ミリ単位で施術箇所と注入量を調整する高度な判断力が必要です。

あえて弱く打つ選択肢

必ずしも最大の効果を狙うのではなく、表情の自然さを保つために、あえて注入量を少なく抑えるという選択肢もあります。

注入量を増やせば、たしかに変化は大きくなりますが、その分、不自然な表情になりやすいリスクも高まります。

一人ひとりの顔立ちに合った「最も自然で魅力的な口元のライン」を引き出すために、あえて弱く打つバランス感覚こそが、医師のデザイン力なのです。

 

施術後の過ごし方とダウンタイム

安全で満足のいく結果を得るために、術後の正しい過ごし方とダウンタイムの症状についても、事前に詳しく把握しておきましょう。

当日のメイク・食事は可能?

治療当日から洗顔やメイク、食事は通常通り可能です。

ただし、下記のような注意点もあります。

 

  • ・注射部位は強くこすらない
  • ・飲酒や激しい運動は控える

 

感染リスクを避けるため、洗顔やメイク時は優しく触れる程度にしてください。

また、アルコール摂取やサウナなど、血行を促進する行動は、内出血や腫れを悪化させる原因となりますので、治療当日は控えるようにしましょう。

術後数日は「大きく口を開ける」動作に違和感が出る可能性

筋肉の動きが一時的に制限されるため、大きく口を開ける動作や、硬いものを噛む際に違和感が生じることがあります。

これらの症状は、薬剤が筋肉に馴染むにつれて数日から1週間程度で落ち着くことがほとんどですので、ご安心ください。

マッサージ厳禁。薬剤が広がってしまうリスクについて

ボトックス注入後は、マッサージや患部を強く押す行為は厳禁です。

薬剤が周囲に広がり、表情の左右差や不自然な仕上がりの原因になります。

少なくとも1週間から10日程度は、洗顔時も優しく触れる程度にとどめてください。

 

口角ボトックスに関するよくある質問

よくある質問

Q. 施術の痛みはありますか?痛みに弱いので心配です。

チクッとする程度で、一瞬で終わります。麻酔なしでも受けられる方がほとんどです。

Q. 日常生活に支障が出ますか?

適切な「量」と「位置」であれば、日常生活に支障が出ることはありません。

Q. 一度打ったら、ずっと打ち続けなければいけませんか?

やめても問題ありません。徐々に元の状態に戻るだけで、悪化することはありません。

 

まとめ

口角ボトックスは、長年の口元の悩みを注射だけで手軽に解消してくれる、非常に有効な治療法です。

しかし、手軽とはいっても、「失敗したくない」「不自然になるのが怖い」などの不安はつきものでしょう。

この不安を解消する鍵は、やはり信頼できるクリニック選びに尽きます。

あなたの口元の特徴と、目指す姿を深く理解し、数ミリ単位の見極めをデザインできる経験豊富なクリニックを探すことから始めましょう。

まずは勇気を持って、無料カウンセリングで悩みを相談してみてください。

東京エビスクリニックでは、美容外科歴15年以上の経験豊富な医師のみが在籍しており、患者様一人ひとりに合わせた繊細な注入デザインを提供しています。

無料メール相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

口元が変わるだけで、あなたの印象はもちろん、毎日を過ごす気持ちも、もっと明るく変えてみませんか?

この記事を監修したドクター
照屋 智
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2002年
東海大学医学部 卒業
同付属病院 勤務
初期研修終了
2004年
同院 麻酔科勤務
後期研修医(専攻医)終了
麻酔科認定医取得
麻酔科標榜医取得
2007年
品川美容外科 入職
2014年
品川スキンクリニック品川 品川本院院長
2016年
品川美容外科 品川本院 院長
2020年
東京エビスクリニック 勤務