美容皮膚科 – 肌(Skin)のお悩み改善

ボトックス・ボツリヌストキシン

ボトックス・ボツリヌストキシン治療とは?

ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)は、ボツリヌス菌から抽出した「A型ボツリヌス毒素」という成分を筋肉に注入する治療です。毒素という名前が付いていますが、天然のたんぱく質から作られた毒素を分解・生成した製品ですので、有毒な成分は含まれておらず、安全に使用することができます。

筋肉の動きを司る神経の伝達をブロックすることで、筋肉の過剰な緊張を和らげ、リラックスさせる作用があることから、おもに眉間やおでこ、目尻などにできる「表情じわ」の治療に用いられているほか、お顔のエラ張りや肩こり、多汗症の治療など、さまざまな用途で幅広く使われているのが特徴です。

ボトックス・ボツリヌストキシン治療の概要

ボトックスは、「ボツリヌス菌」によって作られる神経毒素成分を含む製剤であり、正式には「A型ボツリヌス毒素製剤(BTXA)」と言います。

通常、筋肉を動かすには脳からの指令が必要です。この指令を送り出しているのが運動神経であり、神経の末端から放出される「アセチルコリン」という神経伝達物質によって脳からの情報が筋肉に伝達されるしくみになっています。
ボトックス注射は、筋肉と運動神経を繋ぐ「神経筋接合部」に作用し、アセチルコリンの放出を妨げ、脳からの指令をブロックすることで、筋肉の収縮を抑制し、弛緩させる効果があります。

ボトックス治療の歴史は長く、日本では20年以上前から医薬品として斜視や顔面痙攣などの治療に使用されていましたが、過剰な筋肉の働きを緩めることでさまざまなメリットが得られることから、現在ではしわ治療や多汗症治療、お顔のエラや肩こりの改善、脚痩せなどの美容医療にも広く応用されるようになりました。

ボトックス注射は、注入のみで行うことができる上、即効性が高いのが大きな特徴です。
皮膚の回復にかかるダウンタイムもほとんどないため、切開による治療を望まない患者さまでも気軽に受けていただくことが可能です。
ただし、ボトックスの効果は永久的なものではなく、施術後、半年程度で緩やかに元の状態に戻っていくため、治療の効果を持続するためには定期的に治療を継続していただく必要があります。

ボトックス注射のおもな効果

ボトックス注射は、以下のような治療に幅広く使われています。

表情じわの改善

「笑う」「怒る」など、お顔の表情を作る時に筋肉が収縮してできるしわを「表情じわ」と言います。
眉間やおでこ、目尻などの表情じわは、お顔の印象を大きく左右する上、年齢を重ねると、より深いしわになりやすいのが特徴です。
しわの気になる部分にボトックスを注入し、表情筋の過剰な収縮を抑えることで、表情じわを目立たなくする効果が期待できます。

処置箇所【額】の場合、【原則として、額の下部への注入はできません】

図:表情じわの種類

顔面のエラ改善、小顔効果

物を噛む時に使われる「咬筋(こうきん)」という筋肉は、日常的に歯ぎしりや食いしばりなどをしていると発達して肥大し、エラが張って見えるようになります。ボトックスで咬筋の緊張を和らげると、筋肉の盛り上がりが改善されるため、エラが改善して、小顔に見える効果が期待できます。

多汗症の改善

交感神経の末端で作られ、発汗を促す作用のあるアセチルコリンの分泌をブロックし、エクリン汗腺の活動を抑えることで、脇の下や手のひら、足裏などの発汗を抑える効果が期待できます。

肩こりの改善

肩こりの原因である「僧帽筋群(そうぼうきんぐん:首の付け根から背中に位置する筋肉)」の緊張を和らげ、肩こりを改善させる効果が期待できます。

ガミースマイルの改善

ボトックスで上唇を引き上げる筋肉の働きを抑えることで、笑った時に大きく歯茎が露出し、目立ってしまうガミースマイルを改善します。

図:ガミースマイル

二の腕、ふくらはぎを細くする

二の腕やふくらはぎなどは、筋肉が発達して大きくなると太く見えてしまいます。ボトックスで発達した筋肉の働きを一時的に抑えることで、すっきり細く見える効果が期待できます。日常生活への影響はありませんのでご安心ください。

当院のボトックス・ボツリヌストキシン治療

当院のボトックス治療では、患者さまに安心して治療を受けていただくため、以下のような特徴があります。

安全性が高く高品質な薬剤を使用

当院では、高品質で信頼性の高い製剤のみを使用しております。
患者さまの症状やご要望に合わせ、以下の2種類の製剤から最適な製品をお選びします。

  • アラガン社ボトックスビスタ® (アメリカ)
    世界で最も多く使用されている製剤であり、本来、「ボトックス注射」というのは、このアラガン社の製剤のことを指します。
    厳しい品質管理下で製造され、安全性が高い製品であり、FDA(アメリカ食品医薬品局)認可を受けているほか、「しわ改善」の用途で厚生労働省が承認している唯一の製品です。
    ボトックスビスタの施術は、所定の講習を受けて認定を受けた医師のみが行うことができる治療です。
  • メディトックス社韓国製ボトックス® (韓国)
    アラガン社のボトックスと同じ株を基に開発されているため、組成や分子量はボトックスと同じで、ボトックスのジェネリック(後発薬品)といえる製剤です。
    KFDA(韓国食品医薬品安全庁)の認可を受けている安全性の高い製剤で、コストを抑えることができるのが大きなメリットです。

豊富な治療実績と高い技術力

ボトックス注射は、非常に繊細な治療ですので、注入する位置や量などを誤ると、不自然な表情になってしまう場合があります。当院では、高度な技術と多数の実績のある医師が、患者さまお一人お一人の症状に合わせ、注入位置や量などを細かく調整し、美しく自然な仕上がりになるよう、丁寧に施術を行います。

ボトックス・ボツリヌストキシン治療をおすすめしたい人

ボトックス治療は、次のような方におすすめです。

  • 眉間の縦じわが目立ち、不機嫌そうに見られる
  • 額、目尻、あご、首などのしわやたるみが目立ち、老けて見られる
  • エラが張って顔が大きく見える
  • 口角が下がっている
  • 笑うと歯茎が大きく見えてしまう(ガミースマイル)
  • 肩こりがひどい
  • 脇汗が多い(多汗症)
  • 肩やふくらはぎの筋肉が発達して目立つ

治療例

当院で行ったボトックス治療(エラ改善)の症例写真です。

治療の流れ

当院でのボトックス治療は以下のような流れで行います。

step 1医師による診察・
カウンセリング(無料)

患者さまのお悩みやご希望をお聞かせください。
担当の医師が患者さまのお肌の状態を詳しく確認させていただきます。
施術の方法や流れ、リスクや注意点についても、詳しくご説明させていただきますので、ご不明点や心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
※当院ではご相談の場合、カウンセリング料や初診料はいただいておりません。また、治療内容に十分ご納得いただけた上でのみ施術を行いますので、安心してご相談ください。

step 2クレンジング・洗顔

施術前に、洗顔やクレンジングを行い、皮脂や汚れ、メイクをしっかり落としていただきます。

step 3施術

筋肉の動き方やしわの状態などを細かく確認し、注入部位や注入する量を調整しながら薬剤を注入していきます。32ゲージの極細針を使用するため、麻酔なしでの治療が可能です。
施術時間は1か所5分程度で、複数の箇所に治療する場合は20分程度が目安となります。

step 4終了

お肌のクーリングなどを行い、治療は終了となります。
※ご希望の場合には、施術の1週間後にお肌の状態の確認を行うことも可能です。

ボトックス・ボツリヌストキシン治療の注意点

ボトックス治療を行うにあたり、以下のような点にお気を付けください。

施術後の注意事項

施術後のお手入れは、以下のような点に気を付けましょう。

  • 治療当日から洗顔やメイクは可能ですが、感染などを起こすリスクがあるため、注射した部位を揉んだり、強く擦ったりしないように気を付けてください。
  • 患者さまによっては、針を刺した部位に赤みや腫れ、内出血を起こすことがあります。
    2~5日程度で治まることがほとんどですが、治療後に気になる症状が現れた時には医師にご相談ください。
  • 治療当日の飲酒や激しい運動、長時間の入浴やサウナなどは行わないようにしましょう。

ボトックス・ボツリヌストキシン治療が受けられない場合

以下のような方はボトックス治療を行うことができません。

  • 妊娠中の方、妊娠を希望される方
  • 授乳中の方
  • 全身の筋肉の病気がある方(筋委縮性側索硬化症、重症筋無力症など)
  • ボツリヌス製剤のアレルギーのある方

その他にも皮膚の状態やお体の具合(持病、既往歴、アレルギーなど)によっては、医師の判断により施術をお受けできない場合もございます。喘息などの慢性疾患をお持ちの方や緑内障の方、その他内服しているお薬がある方などは、カウンセリング時に医師にご相談ください。

よくある質問

注入時の痛みはどれくらいですか?

針を刺す時にチクッとした痛みはありますが、32ゲージというとても細い針を使用しますので、通常は麻酔なしで治療を行います。特に痛みに弱い方や不安のある方はクリームタイプの麻酔などを使用することも可能ですので、カウンセリング時にご相談ください。

しわ治療ではボトックス注射とヒアルロン酸注射のどちらを受ければよいですか?

ボトックスとヒアルロン酸のどちらが適しているかは、しわのタイプによって異なります。
ヒアルロン酸注射は、ほうれい線や瞼のくぼみ、目の下のへこみといった表情がない時でも消えずに刻み込まれているようなしわに効果があるのに対し、ボトックス注射は、怒る、笑うなど顔の動きや表情によってできるしわの治療に使用されるのが大きな違いです。

治療後、引きつった感じがありますが、心配はありませんか?

ボトックスを行うと、表情筋の動きが制限されますので、若干、違和感が出ることがあります。
治療後2~3週間は症状が気になることもありますが、徐々に慣れてきて気にならなくなる場合が多いです。

効果を維持するためにはどのくらいの間隔で治療を受けると良いですか?

ボトックス注射の効果は永久的なものではないため、4か月程度で徐々に元の状態に戻ります。効果の持続期間には個人差がありますが、高い効果を維持するには、ご自身で効果が落ちてきたと感じたタイミングで再度治療を受けていただくことをおすすめします。

担当医師からのひとこと

しわの種類、原因によって治療法が異なります。
当院では、ヒアルロン酸やボトックス注射から、レーザー治療、外科的治療までお肌のお悩みに合わせ、幅広い治療が可能です。
ダウンタイムやリスクを含め、患者様のご要望に合った治療法をご提案させていただきますのでお気軽にご相談ください。